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口コミは、数より「どこから来たか」を見る

料金も指導形式も、公式サイトを見れば書いてあります。 でも肝心の「で、実際どうなの?」は、どこにも書いていない。 だから最後はみんな口コミを読むことになります。

ところがこの口コミ、いちばん出所の見えにくい情報でもあるんです。

当サイトは口コミを147載せていますが、これを集めるとき、1件ずつ「どのページの、どの位置に、どう載っていたか」を 記録してきました。その記録を数え直すと、口コミを読むときに見るべき点がはっきりしてきます。 ここではその話をします。

この記事で分かること(掲載63社・口コミ147件を数えた結果)

  • 星の付いた口コミは多数派ではない。出典84本のうち、1件ごとの評価を併記していたのは10本だけ
  • 件数はそのまま人数ではない。同じ投稿者の声が重なっている出典が2社ぶんあった
  • 「体験の感想」と「続けている人の評価」は別物。出典のページを開けば、どちらなのかはたいてい書いてある
  • 対面と兼営の事業者では、通塾や訪問の声がオンラインの口コミに混ざる。当サイトはここで一度失敗している
  • 比較サイトの口コミも、集め方はサイトごとに違う。投稿できる人も、回答日を出すかも、どこから集めてくるかもそろっていない
この記事の目次
  1. 星が付いている口コミは、むしろ少数派
  2. 件数は、そのまま人数ではない
  3. 「体験の感想」と「続けている人の評価」は別物
  4. 「誰が」だけでなく「何について」の声かを見る
  5. 口コミの周りに書いてあることを読む
  6. 比較サイトの口コミは、集め方がサイトごとに違う
  7. それでも、口コミで決めないほうがいい

星が付いている口コミは、むしろ少数派

口コミというと、5段階の星を思い浮かべますよね。ところが事業者の公式サイトに載っている体験談には、ふつう星が付いていません。「合格しました」「先生が親身でした」という文章だけが並ぶんです。

実際に数えてみました。当サイトが引用している出典は84ありますが、そのうち1件ごとの評価を併記していたのは10本(5社ぶん)だけでした。件数でいうと147件のうち21です。

出典側に評価が併記されていた21件の内訳
  • 5 / 59
  • 4 / 59
  • 3 / 52
  • 2 / 51

ここに出しているのは出典サイトに表示されていた数字です。当サイトは口コミに点を付けません。 このうち12は満点ではありませんでした。

さて、ここから言えることが1つ。比較サイトに「星4.8(120件)」のような平均点が出ていたら、それは事業者が公表した数字ではありません。そのサイトが自分で投稿を集めて、自分で計算した数字です。

そしてその計算のしかたは、サイトによって違うんです。投稿された点をそのまま平均するところ、独自の重み付けで計算し直すところ、 件数が少なければ平均そのものを表示しないところがあります。同じ「4.0」でも、意味が同じとは限りません。気になったときは、そのサイトの口コミポリシーのページを見てください。 たいてい、どこかに書いてあります。

件数は、そのまま人数ではない

「口コミ1,000件」と書いてあったら、1,000人分の声だと思いますよね。 実は、1,000人が書いたとは限らないんです。 1人が質問項目ごとに答えたものを、項目の数だけ数えている場合があります。件数と回答者数を別々に出しているサイトもあります。そういうサイトは、むしろ正直です。

編集部が実際に見た表示です。口コミを採りに行ったとき、あるページの見出しは「全729件」でした。 ところが一覧のすぐ上に、「回答者数:163人」と小さく書いてある。 4倍以上ちがいます。
同じサイトの別の会社では「全6件」。 こちらの回答者数は1人でした。 1人が6つの評価項目に答えると、6件になるんです。
見るのは、大きいほうの数ではなく、小さいほうの数です。

当サイトが引用した出典の中にも、同じ投稿者の属性が繰り返し出てくるページが2社ぶんありました。同じご家庭が、時期を変えて何度か書いているように読めます。 そこに問題があるわけではありません。ただ件数の多さを「それだけ多くの人が満足している」と読むのは、少し早いということです。

また、投稿者の学年も立場も分からない声が6ありました。当サイトはそこを推測で埋めていません。誰の声か分からないものは、分からないまま載せています。

「体験の感想」と「続けている人の評価」は別物

これは読むときにいちばん効く見分け方かもしれません。無料体験の直後に書いてもらったアンケートと、半年通った家庭の評価。この2つ、まったく違うものなんです。

体験直後の声は、どうしても良い内容が並びます。なぜか? 合わなかった人はそのまま申し込まないので、感想を書く機会が無いんです。知りたいのは「続けたらどうだったか」のほうであることが多いはずです。

見分け方は簡単。出典のページを開くことです。 「体験授業を受けたご感想をお聞かせください」という設問がそのまま載っていることがよくあります。 当サイトは、その設問が体験について聞いているのか、受講中の指導について聞いているのかを 1件ずつ確かめて記録しています。

「誰が」だけでなく「何について」の声かを見る

オンライン家庭教師には、訪問型の家庭教師や通いの教室も一緒に運営している事業者が少なくありません。そして、その口コミページは会社全体のものであることがあります。オンラインの声と、先生が家に来たときの声が、同じ欄に並んでいるんです。

これは当サイトが実際に失敗したところです。ある事業者の口コミを2件載せた直後に、 「先生がいらっしゃった」「体験でも来てくれる」という言い回しに気づきました。訪問の話でした。すぐ取り下げましたが、読者から見れば、オンラインの評判として読めてしまっていたはずです。

そこで当サイトは、口コミ1件ごとに「どの提供形態についての声か」を記録し、オンラインと確認できたものしか載せないことにしました。判断を忘れないよう、ここは仕組みで止めています。 いま載せている147件は、すべてこの条件を通ったものです。

もうひとつ、その手前にも段があります。同じ社名のページでも、あなたが探しているサービスの声とは限らないんです。口コミサイトが、その会社をどの区分に置いているか。 そこで聞かれる質問そのものが変わります。評価項目が「教材の分かりやすさ」「機材の使いやすさ」だけで、先生の話が一度も出てこない ── そんなページもありました。

確かめ方は、本文を読むだけです。先生・講師・授業という言葉が出てくるか。出てこないなら、それは教材の感想です。 あなたが知りたいのが「先生がどうだったか」なら、その声は答えになりません。

逆に、一発で見分けがつく場合もあります。 口コミサイトの中で、その会社の「オンライン校」が別の教室として立っていることがあるんです。 教室の一覧に「◯◯ オンライン校」と並んでいたら、そこに付いている口コミは、オンラインで受けた人のものです。 迷う必要がありません。会社の名前で探したら、次は教室の一覧を見てください。

他のサイトを読むときも、同じ見方が使えます。その事業者が対面もやっているなら、その口コミがオンラインの話かどうかを確かめてください。オンライン専用ドメインに載っていても、通塾の声が混ざっていることがあります。

口コミの周りに書いてあることを読む

実は、口コミ本文よりも、その周りの小さな文字のほうが情報量が多いことがあるんです。

  • 投稿に特典が付いていないか。口コミを書くと入会金の一部が戻る、ギフト券がもらえる、という制度を設けているところがあります。特典があること自体は問題ではありません。ただ、大きいものもあります。比較サイトの中には、そのサイト経由で入会した家庭に2万円を渡し、その受け取り条件としてアンケートに答えてもらい、それを口コミとして並べているところがありました。
  • その特典に、期限が付いていないか。上の2万円は、申請の期限が「契約から30日以内」でした。 つまり書いているのは全員が入会したての家庭で、 「まだ本日入会したばかりで」と断って書いている人もいます。あれ?と思いますよね。まだ授業を受けていない人の声も、同じ欄に並ぶということなんです。 実際、支援金の話を聞いたのが決め手だったと本文に書いている人もいました。
    見分け方は簡単で、そのサイトの「支援金」「キャンペーン」の説明ページを開くだけです。 応募条件のところに、たいてい書いてあります。
  • 「読みやすく編集しています」と書いていないか。原文のままではない、という断り書きが小さく添えられていることがあります。 当サイトはこの断り書きを見つけたら、口コミと一緒に残しています。これを落とすと、原文をそのまま引いたように見えてしまうからです。
  • 事業者の返信が付いていないか。当サイトが引用した口コミのうち4には、事業者側のコメントが併記されていました。 そこに「この合格に当塾は直接関わっていない」といった留保が書かれていることがあります。体験談だけを抜き出すと、出典より強い主張になってしまうので、当サイトは返信も一緒に載せています。
  • 断った人の声も載っているか。公式サイトの「お客様の声」は、たいてい受講を続けている人のものです。ただ、まれに面談を受けたうえで入会しなかった人の声まで載せている事業者があります。対面のほうが合っていた、といった理由がそのまま書かれていることがあり、自分の子に向いているかを考える材料としては、こちらのほうが役に立ちます。

比較サイトの口コミは、集め方がサイトごとに違う

ここまでは、口コミを1件ずつ読むときの話でした。最後に、そのサイト全体の話をひとつ。

「公式サイトの体験談は良いことしか書いていないから、比較サイトの口コミのほうが公平だよね」。 そう思いますよね。編集部もそう思っていました。 そこで口コミを載せている比較サイトを4つ選んで、規約と投稿フォームを実際に開いてみたんです。結果、4つとも集め方が違いました。ひとくくりに「外部の口コミだから公平」とは、ちょっと言えません。

  • いつ書かれた声か、分かるようになっているか。開いた4つのうち3つは、口コミごとに回答日か投稿の年月を表示していました。残る1つは、投稿者の学年は出ているのに日付は見つけられませんでした(出していないと確認できたわけではありません。編集部が探した範囲で見当たらなかった、という意味です)。
    ここ、地味に効きます。オンライン指導は数年で中身がずいぶん変わりました。3年前の「Zoomがつながりにくい」は、今の話ではないかもしれないですよね。
  • 誰が書けることになっているか。通っている(通っていた)人に限るサイトもあれば、退塾から何年以内かまで決めているサイトもありました。 一方で、投稿フォームの利用状況の選択肢が「教室見学」「体験授業」「通塾経験あり」の3つになっているサイトもあります。つまり見学しただけ・体験を受けただけの人も書けるということ。 さきほどの「体験の感想と、続けている人の評価は別物」が、ここでも効いてきます。
  • そのサイトの読者が書いたとは限らない。これは開いてみるまで知りませんでした。編集方針に声の取得先を並べて書いているサイトがあって、そこには自社の投稿フォームと並んでクラウドソーシングやアンケート調査会社の名前が挙がっていたんです。
    隠さず書いてあるので、むしろ誠実な部類だと思います。ただ「そのサイトを見て申し込んだ家庭の声」だと思って読むと、ちょっと違うことになります。

確かめ方は、さっきと同じです。 そのサイトの「口コミポリシー」「編集方針」「投稿フォーム」を開いてください。 4つとも、ちゃんと書いてありました。探しにくい場所にあるだけです。

なお、4つのうち2つは入会キャンペーンの応募時にアンケートを取っていました。ただしそのアンケートが公開されている口コミになる、とはどこにも書かれていませんでした(規約・キャンペーン説明・各社ページを当たって確認できず)。書かれていない以上、当サイトはこの2つを同じものとして扱いません。上に出てくる2万円の話は、サイト自身が応募条件としてアンケートの公開の了承を求めていたものです。同じに見えても、別の話です。

もうひとつ、集め方とは別の話を。編集部が実際に口コミを採りに行って、初めて気づいたことです。

その口コミは、来月もそこにあるとは限りません。口コミサイトの一覧ページは、新しい投稿が増えると古い声が後ろのページへ流れます。編集部が数えたところ、ある社は全691件で70ページ。 1ページ目に出ているのは10件だけで、その10件の投稿日は17日ぶんしかありませんでした。全280件で14ページという社もあります。
しかも、1件ごとのURLが付いていないサイトがあります。そういうサイトでは、気に入った声を見つけても、あとでそこへ戻る手段がありません。
見分け方はかんたんです。その1件だけを開けるかどうか。 口コミの日付や見出しを押して、その口コミだけのページに飛べるなら、そのURLは残ります。飛べないサイトなら、「これは」と思った口コミはその場で画面を保存しておくのが確実です。

それでも、口コミで決めないほうがいい

ここまで読み方を書いておいて何ですが、口コミは「決める材料」ではなく「知る材料」だと考えたほうが、うまくいきます。 どんなに丁寧に集めても、書く人には偏りがあるからです。 とても満足した人と、強い不満のある人は書きます。 「まあ普通に続いています」という、いちばん多いはずの層は、わざわざ書きません。

料金・1回の時間・振替の条件・講師の決まり方は、公式サイトに書いてある確かめられる事実です。 まずそちらで候補をしぼって、口コミは最後に読む。この順番をおすすめします。

じつは合格実績にも、同じ読み方が要ります。あちらは書いた人の偏りではなく、「その子はどこで教わったのか」のほうが分からないんですね。

当サイトの口コミ欄にも、はっきりした偏りがあります。いま載せている147件の内訳は122件が「公式サイト掲載」、25件が「口コミサイト」大半は、事業者が自分で選んで載せた声です。そのことが何を意味するかは掲載基準と編集方針のページに書いています。 また、掲載63社のうち20にはまだ口コミがありません。その20社をどう考えるかも書きました。